最近発売されたタロットカードの中で、1番人気のカードといえば、このゴールデン・アールヌーボー・タロットではないでしょうか。
従来のアールヌーボー・タロットも、女性に人気のあるカードでしたが、そんなアールヌーボー・タロットをさらに上回るのが、このゴールデン・アールヌーボー・タロットです。
今回の記事では、大人気のゴールデン・アールヌーボー・タロットを、写真付きで徹底的に紹介します。
このカードの美しさをお解りいただけるように、写真を多めに入れるのでジックリとご覧ください。
ゴールデン・アールヌーボー・タロットとは
まずは簡単に、ゴールデン・アールヌーボー・タロットについて詳細をお伝えしましょう。
ゴールデン・アールヌーボーの作者
このカードは2019年にイタリアのタロットカードの老舗、ロ・スカラベオ社から発売されました。
カードのデザインを描いたのは、イタリア人アーティストの、ジュリア・F・マッサリア(Giulia.F.Massaglia)で、明るく鮮やかな色遣いが、とても素敵なタロットカードです。
アールヌーボー調のデザインは、20世紀の初頭にかけて、ヨーロッパを中心に盛んにおこなわれた、美術活動に端を発しますが、その優美なデザインが見事に表現されています。
特にこのゴールデン・アールヌーボー・タロットは、これまでにない金色のコーティングが施されているので、なおさらゴージャスな印象があります。
カードの構成について
従来のアールヌーボー・タロットは、マルセイユ版の構成で作られたカードデッキでした。
そのため小アルカナの数札が、スートの象徴とアールヌーボー調の女性が描かれたもので、ストレートに言って小アルカナでのタロット占いは難しかったです。
それに比べ、このゴールデン・アールヌーボー・タロットは、ウェイト版のカード構成を持ち、なおかつ小アルカナも、パメラ・コールマン・スミス(Pamela Colman Smith)が描いた構図を踏襲しています。
もちろん、絵柄はアールヌーボー調になっていますが、小アルカナを使っても容易にカードの意味を読み取れます。
※左:ライダー版タロットカードのRWSと、右:ゴールデン・アールヌーボー
カードの裏面の絵柄について
ただ、少し注意が必要なのが、ゴールデン・アールヌーボーのカードの裏面の絵柄です。
このカードの裏面には、アールヌーボーらしく、大きな樹と月が上下左右対称に描かれています。
ですから、一見すると裏面の絵柄では、逆位置と正位置の区別がつかないように見えますが、よく見ると中心に描かれた月が三日月になっています。そのため、正位置、逆位置の区別がついてしまうのです。
ただ従来のアールヌーボー・タロットは、裏面に女性が描かれており、完全に上下非対称だったので、それに比べれば、かなり扱いやすいとはいえるでしょう。
カードの裏面については、こちらの「人気のタロットカードの裏面のデザインを写真付きで徹底紹介」でも詳しく解説しています。
※左:アールヌーボー・タロットと右:ゴールデン・アールヌーボー・タロットの裏面
カードの絵柄や仕様の特徴
では、ゴールデン・アールヌーボー・タロットならではの、カードの絵柄やゴールド仕様の特徴を見てみましょう。
カードのデザインや絵柄の特徴
このゴールデン・アールヌーボー・タロットをご覧居ただくと、最初に目につくのはやはり、その独特なタッチの絵柄でしょう。
従来のアールヌーボーとは異なり、表情や服装、背景など色合いの濃淡をハッキリと表現しています。
例えるなら、アールヌーボー・タロットが水彩画なら、ゴールデン・アールヌーボー・タロットは、油絵ぐらい色が濃い感じです。
これは金色のコーティングが入るために、あえて絵を濃く書いてバランスを取っているのかもしれません。
※左:アールヌーボータロットと右:ゴールデン・アールヌーボー・タロットの絵柄の違い(小アルカナのカップ2)
ゴールドコーティングの特徴
ロ・スカラベオ社では、ゴールデンタロットカードを何種類か販売していますが、それぞれのカードのゴールドコーティングには、独特な模様があります。
こちらのゴールデン・アールヌーボー・タロットについては、写真のようなツタ模様が描かれています。
このカードの全てに施された、金色のコーティングに、同様の模様が刻まれており、それがまたカードの美しさを際立たせています。
他の種類はこちらの「金色に輝くゴールデンタロットカード3種類を写真で徹底比較」でご覧いただけます。
※金色の模様が解るように写り込んで撮影。(カップの5)
カードの番号の表記がおしゃれ
また、ゴールデン・アールヌーボー・タロットは、カード番号の表記もとてもおしゃれです。
大アルカナは写真のように、ゴールド仕様のギリシャ数字で描かれており、とても美しく栄えます。
小アルカナは、一般的な英数字が上部に描かれており、ペイジやナイト、クィーン、キングはその象徴が描かれています。
これなら、小アルカナも一目瞭然でカードを区別できますし、大アルカナもすぐに解りますね。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットカードの番号の表記
大アルカナカードを写真付きで紹介
ここからはゴールデン・アールヌーボー・タロットの大アルカナについて、写真付きで紹介していきます。
大アルカナ:0愚者~9隠者
まずは大アルカナの愚者から隠者までの10枚です。
いかがですか?ゴールドのコーティングが入っている部分がお解りになるでしょうか?
基本的には背景に金色が入っていますが、愚者のカードの太陽光の部分は帯状になっており、とても煌びやかな雰囲気です。
また女教皇と法王、戦車のカードは、本当に僅かしか金色が入っておらず、鮮やかな絵柄が主体となっています。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロット:0愚者~9隠者
大アルカナ:10運命の輪~19太陽
続いては10番の運命の輪のカードから、19番の太陽のカードです。
こう見ても、全般的に金色のコーティングは少な目で、それぞれの絵柄が主体となっているのが良く解ります。
それだけ、このカードのデザインがカラフルなものとなっているので、ゴールドのコーティングはあくまで引き立て役と言った感じです。
注目は17番の星のカードと、18番の月のカードです。夜を表す背景には青地にゴールドの唐草模様が入っています。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロット:10運命の輪~19太陽
大アルカナ:20審判、21世界
大アルカナ最後の2枚の審判のカードと、世界のカードです。
審判のカードは死者の復活を表すカードですが、このカードの死者はどこかリアルな感じです。
また、恋人のカードや節制のカードも同じですが、天使の羽が鮮やかな赤色で描かれているのも、1つの特徴だと言えるでしょう。
世界のカードでは、あえて空をゴールドにせずに、月桂樹の中の空間を金色にすることで、中央の女性を際立たせています。
なお、大アルカナのカードの詳しい意味については、こちらの「タロットカード大アルカナ22枚の意味と解釈のポイントを一覧で紹介」を参考にしてください。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロット:大アルカナ:20審判~21世界
小アルカナカードを写真付きで紹介
さらに、ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナカードも、詳しく見ていきましょう。
4種類のスートごとに紹介して行きます。
ワンド(棒)のカード14枚
ワンド(棒)の数札は、パメラ・コールマン・スミスがウェイト版として描いた通りの構図になっています。
ただ、ハッキリ言って金色が凄いです。(笑)
もちろん、ゴールデンタロットカードなので当然ですが、ワンドは象徴が細い棒なので、背景の金色がなおさら多く感じます。
全体的に、赤い枠に赤い絵柄が多いのは、火のエレメントを象徴していますね。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのワンド数札
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのワンド絵札
ペンタクル(コイン)のカード14枚
続いては、ペンタクルの数札です。
もともとペンタクルは、コインとも呼ばれて金色や黄色で表現されるカードです。
そのためゴールデン・アールヌーボー・タロットでは、一面金色に輝くゴージャスなカードとなっています。
側面には緑色の枠があり、多少なりとも落ち着いた感じで、豊かさを表す地のエレメントのカードとしては、他のデッキを圧倒しています。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのペンタクル数札
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのペンタクル絵札
ソード(剣)のカード14枚
ソード(剣)のカードは、枠も含めて全体的に水色のデザインで仕上がっています。
特徴的なのはソードの2番と9番のカードです。
ご覧いただくと解るように、夜が描かれたカードなので、夜を表現した水色の背景の上に、金色の唐草模様が描かれています。
ソードは絵札を含めて、とっても躍動感のある構図で描かれており、風のエレメントを意識して描かれていることが解ります。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのソード数札
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのソード絵札
カップ(聖杯)のカード14枚
ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナカードの最後は、カップ(聖杯)のカードです。
カップはもちろん、水のエレメントを表すカードなので、周りの装飾は青緑色で描かれています。
華やかな絵柄が多い、カップのカードですが、金色が加わることで、どこか神聖な雰囲気が高まった感じがします。
特に絵札は、その淡い色使いから、どこか現実離れした幻想的な雰囲気を感じます。
なお、小アルカナカードの意味は、こちらの「タロットカード小アルカナの意味一覧<ワンド、ペンタクル、ソ―ド、カップ>」で解説されています。
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのカップ数札
※ゴールデン・アールヌーボー・タロットの小アルカナのカップ絵札
ゴールデン・アールヌーボーのおすすめポイント
では最後に、ゴールデン・アールヌーボー・タロットを利用してみて、おすすめのポイントをお話しして終わりにしましょう。
ウェイト版のカード構成
まず1つは、ウェイト版のカード構成により、小アルカナの絵柄がパメラが描いた構図を踏襲している点です。
そのため、小アルカナを使ったタロット占いでも、一般的なウェイト版のカードの同様に利用できて、解釈で迷うことはありません。
なおかつ、描かれているデザインも、どこかそのスートのエレメントを象徴するような、そんな雰囲気が織り込まれていると感じました。
その点からも、このゴールデン・アールヌーボー・タロットカードは、素人でも安心してタロット占いが楽しめるといえます。
ウェイト版の構成についてはこちらの「ウェイト版タロットカードの歴史<ライダー版やマルセイユ版との違いも解説>」をご覧ください。
油絵のように色鮮やかなカード
さらに際立った特徴は、その現代的な色鮮やかなカードだと言えるでしょう。
先にも紹介したように、アールヌーボー・タロットの色味は淡い水彩画のようですが、このゴールデン・アールヌーボー・タロットは、濃淡がハッキリとしています。
それは登場する女性などの人物の表情もそうですし、至るところに描かれている象徴もハッキリとしています。
その点は他のゴールデンタロットカードと違って、絵柄が光負けしていない、そんなカードに仕上がっていると言えるでしょう。
コレクションとしても美しい
いかがでしたか?私の個人的な感想としては、まるでマルセイユ版のような鮮やかなデザインなのに、ウェイト版として楽しめる。
このゴールデン・アールヌーボー・タロットには、そんな魅力があります。
それに、とても美しい絵柄なので、コレクションとして購入されても良いですし、飾っておいてもそれはそれで栄えるでしょう。
そしてピンときたら、手に取ってタロット占いを楽しんでみて下さい。そうすれば、あなたの豊かさも、きっとUPしてくれると思いますよ。